シルク印刷(スクリーン印刷)は、インクを版を通して直接印刷する技法で、高い耐久性と鮮やかな発色が特徴です。パッケージデザインに取り入れる際には、一般的なオフセット印刷やデジタル印刷とは異なる特性を理解し、適切なデザインを作成することが重要です。本記事では、シルク印刷を使用する際のデザインの注意点について解説します。
1. シルク印刷の特徴を理解する

- 発色が鮮やか:厚めのインクを使用するため、色の発色が強い。
- 重ね刷りが可能:異なる色をレイヤーごとに印刷できる。
- 素材の影響を受けやすい:紙・プラスチック・ガラス・金属など、素材ごとに仕上がりが異なる。
- ボトル等曲面印刷の場合でも、デザインは湾曲させず正寸で作成する。
2. デザインの注意点

1. 線の太さを適切に設定する
- 細かすぎる線は潰れる可能性があるため、最低でも0.3mm以上の太さを確保する。
- 文字の線幅も1mm以上を推奨。
2. カラーモードはCMYKではなくPANTONEやDICを使用
- シルク印刷では特色インクを使用するため、デザイン時にはPANTONEやDICカラーで指定すると正確な色が再現可能。
※例えばDICだと番号が若い方が混ぜるインクの数が少ないので調色しやすので、比較的思った通りの再現が出来ます。
3. グラデーションや細かいディテールは避ける
- シルク印刷はフルカラー印刷に比べて色の再現性が低いため、グラデーションや写真のような複雑なデザインは向かない。
- はっきりしたベタ塗りのデザインを推奨。
4. 色の重ね合わせに注意
- 色を重ねる場合、適切な乾燥時間を考慮する必要がある。
- 透明度のあるデザインでは、重ね刷りの色が影響し合うことがあるため、テスト印刷が推奨される。
5. 余白(トラッピング)を考慮する
- 異なる色が隣接する場合、ズレを考慮して0.2~0.5mm程度のトラッピングを設定する。
3. 印刷素材による影響

- 紙:表面がザラついた紙はインクの定着が異なり、細かいデザインは再現しにくい。
- プラスチック・ガラス:滑らかな表面にはしっかりしたインクの定着処理が必要。
- 金属:インクが乗りにくいため、事前の下処理(プライマー)が推奨される。
まとめ
シルク印刷はパッケージデザインに高級感を与え、耐久性のある印刷が可能です。しかし、デザイン時には線の太さ、色指定、余白設定などに注意し、素材ごとの特性を考慮することが大切です。事前にテスト印刷を行い、最適な仕上がりを目指しましょう!



コメント